【1時限目】第3章 PLCのシーケンス制御方法

f:id:vv_6ong_3ka_cp:20211111143311p:plain

こんにちは。FA電気設計者のLDニックです

1時限目の第3章 PLCのシーケンス制御についてお話を進めさせて頂きますが、PLCについて少しおさらいしますと、

①FA(ファクトリーオートメーション)、機械設備を動かしているのは主にPLC
②PLCはあくまでも演算処理のため、専用入出力ユニットを用いて電圧の開閉しかできない
 ※特殊ユニットを使用すれば更なる機能を使用することも可能です。
機械設備をPLCで動かすには自己保持回路を使う

以上、3点が主にPLCについて説明してきた内容の抜粋となります。

www.niwakamv.com

www.niwakamv.com

PLCで機械設備を動かすためには自己保持回路を使うことを説明してきましたが、自己保持回路はあくまでも機器を動かすための一部、つまり一連の動作の繋ぎでしかないのです。

たとえば、『ボールを投げる』動作を考えると
①ボールを握る
②体勢を整える
③足を踏み込む
④腕を引く
⑤腕を上げる
⑥身体を捻る
⑦足をあげる
⑧投げる

f:id:vv_6ong_3ka_cp:20211111132719p:plain

この①や②の単体動作を行うために自己保持回路を使用します。

自己保持をすることで動作が完了するまで動作を保持することができます。

では、『ボールを投げる』動作を完成されるためには①~⑧を繋げ、正しいタイミング、順序で動かす必要があるわけですね。

これら①~⑧、『ボールを投げる』動作の順序をシーケンスといい、PLCでシーケンスを制御するためシーケンス制御と呼ばれるわけです。

f:id:vv_6ong_3ka_cp:20211111133113p:plain

そもそも、制御はシーケンス(順序)で行われておりますので、PLCのラダー言語ではPCで扱う高級言語のような処理ができないため、ハード回路で使用していた自己保持回路という手法で動作を作ってきました。

機械を動かすことはシーケンス制御、機器を動かすのは自己保持回路、そのように認識した方が初心者の方は理解しやすいかと思います。

PLCプログラムのシーケンス制御設計手法としては、
①歩進制御:ビットの自己保持型
②ステップ制御:ワードで進捗を数値表現

f:id:vv_6ong_3ka_cp:20211111141327p:plain

①歩進制御の特徴
・ビットの自己保持を並べ現在の工程が完了したら次の工程用ビットをオン
・ビットごとに工程内容を記載でき、ビットごとプログラム上検索できるため、デバッグ時は②ステップ制御よりも検索は早くできる
・細かくビットを分けることが可能だが、内部リレーを多数使用してしまうため、プログラム上で迷路となることが多い

f:id:vv_6ong_3ka_cp:20211111142732p:plain

②ステップ制御の特徴
・ワードデータによる数値表現を利用して工程進捗を管理することでデバッグが早くなる
・ワードデータの数値を把握することでだんまり停止やデバッグ時はわかりやすい
・プログラム上、ワードデータの数値検索はできないため、①歩進制御に比べて検索には時間が掛かる

一般的に、慣れてくれば②ステップ制御を使用する方が多いようです。

②ステップ制御の方が見た目もわかりやすいですし、お客様と現地で話するときもわかりやすいです。

私の場合ですが、基本的には①歩進制御を主に使っております。

別に①、②でどちらが優れているとかはないです。

あくまでデバッグしやすい方を使えば良いでしょう。

私のイメージですが、①歩進制御は動作を制御させ、②ステップ制御はロボットやカメラなど決まった処理を行う際に使うと良いでしょう。

お客様が優位な日本という土地柄、動作の変更・追加は多いです。

②ステップ制御ですと、ワードデータの数値がいくら余裕を見ていても溢れてしまって数値が飛び飛びになってしまったり、ワードデータを複数使って様々なタイミングを数値で判断しなければならないのは正直きついです。

そのため、②ステップ制御は決まった処理に適しており、①歩進制御は変更が多い箇所で使うのが私のお勧めするシーケンス制御となります

www.niwakamv.com