【2時限目】第6章 電線サイズ選定

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こんにちは!LDニックです

電気設計者としては、配線の知識も少しないと色々選定できなくて困ります。

配線の知識がないと、ブレーカー容量の選定などもできなくなるのですが💦

ブレーカー容量の選定にも影響が出てきてしまう電線サイズ選定方法について紹介します。

電線サイズ選定方法

電線サイズの選定は色々な方法を考えると面倒ですが、簡単に、特定の場面で、と限定的に検討していく方がわかりやすいでしょう。

まず、電線はVCTF:FA機械の配線でよく使用されます。

特定の場面:FA機械のインダクションモータ

このように定義していきましょう。

電圧降下や電線減少係数はあとで考えましょう。

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電気機器の電流を把握する

電線を選定するにあたり、電気機器の電流を把握する必要があります。

電気機器のカタログには必ず電流値が記載されていますので、電気機器の電流を把握することが可能です。

インダクションモータの3相200Vの場合、90Wで0.8A、0.1kWで1.0A、0.2kWで1.2A、0.4kWで2.1A、0.75kWで3.5Aのようなイメージです。

意外とこの数値に近い電流値が各メーカーのカタログ値から出てきますので面白いですね。

電線の選定方法

電線を選定するにあたり、条件は使用電圧に適合しているか

電圧が200Vに対して電線が100Vまでしか対応していなければ問題ですよね。

電線の種類はVCTFやVCT、VVFなど様々ありますが、FA機械ではVCTFが多く使用されており、耐電圧は600VなのでほぼFA機械なら問題なく電圧は対応しています

電線サイズの選定方法

電線サイズを選定するにあたり、条件は使用電流に適合しているか

電気機器が最大10A流れるのに、電線が5Aしか対応できないと最悪電線が燃えます

実際燃えたことは見たことないので本当に?と言われるとわからないですが。

電線サイズの選定は電気機器の電流から逆算していきます。

電線サイズ選定実例

1.電気機器の電流値算出

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オリエンタルモータのカタログ値ですが、90Wで電流値は0.8Aです。

この通り、電流値はカタログに記載されていることが多いため見落とさずにしましょう。

2.ブレーカー容量選定方法

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電線サイズを決める前に、ブレーカーの選定を行う必要があります。

なぜなら電気機器で短絡が発生した場合過電流が流れます。

その過電流から配線を守るためにブレーカー(配線保護)があり、ブレーカーがその電流値を設定しているからです。

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NF30-FAの資料ですが、フレームAがAF:アンペアフレーム、つまりブレーカー自体が電流に耐えられるスペックです。

定格電流がAT:アンペアトリップ、つまりブレーカーが検出して遮断する電流になります。

インダクションモータは0.8Aでしたので、本来定格電流は5Aで問題ありません。

ただ、インダクションモータということで、FA電気設計者の常識としては30AF/15AT、もしくは30AF/10ATを選定します。

これは見えない常識といいますか、知られているのが前提という感じなのであれですが、インダクションモータのブレーカーは30AF/20AT~10ATで選定し、多数のインダクションモータを合わせてAT×0.8程のアンペア数になったらブレーカーを増やすのが一般的かと思います。

3.電線サイズ選定方法

ブレーカーが30AF/15ATとすると、電流は最大15Aほど電線に流れます。

最大15A流れるということは、15Aを許容する電線サイズを選定する必要があります。

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※富士電線より

ブレーカーから流れる最大電流15Aを許容するためには電線が2.0sq以上でなければなりません

まとめ

ですので、電線サイズの選定方法としては、

1.電気機器の電流値を算出
2.電流値からブレーカーを選定
3.選定したブレーカーのAT:アンペアトリップ値を許容する電線サイズを選定する

これが電線サイズを選定する方法となります。

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