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こんにちは!ハード設計も大好きなLDニックです。
前回から電気的解説を進めておりますが、FA(ファクトリーオートメーション)の機械を制御するためには、リレーやトランジスタという電気部品に関して知っておかなければなりません。
なぜソフト設計を対象としているシーケンス制御塾においてリレーやトランジスタについて知る必要があるのか。
リレーやトランジスタを知ることによって、ハード回路図を読むことができ、他社装置とのインターロック回路も把握することができるようになったり、ハード回路からどのような制御をして欲しいかも汲み取れるようになるからです。
なぜハード回路からインターロック回路の把握したりどのような制御にしたいかを汲み取らなければならないのか。
一流のソフト屋さんは、なぜ一流なのかというと、ハード回路図も理解し、試運転調整や現地調整でそれらを正確に利用することができるからです。
スポーツでもそうですが、短距離走なら一人で走れるので問題ありません。
ただ、FA電気となればハード回路とソフトがあり、これはチームスポーツに似ています。
例えば、サッカーという競技でディフェンス(守備)を行う際はみんなで協力してゴールを守りますよね?
みんなでゴールを守るのにゴールキーパーや味方の位置を把握していないとかそんなことはあり得ないですよね?
つまり、一流のソフト設計者はハード設計者の意図を汲み取り、最適な手法で制御を完成させるのです。
たしかに、ソフト設計のみしか行っていない方もいるのですが、私からするとハード設計の知識もあるからこそできることもあると考えております。
ソフト設計のみの方はソフト完成度が高いため毎回驚くことが多いのですが、ハード設計とソフト設計の兼務よりソフト設計に絞った方が効率が良いという考えもありますので一概にどちらが良いというのも考え物でしょう。
これら2時限目 第2章リレーとトランジスタについて説明していきます。
リレーとは何でしょうか?
そもそもリレーがなぜ必要なのでしょうか?
そこから解説していきます。
リレーは動力電源の開閉で使用される場合が多いです。
自己保持回路の接点としても使用されることが多く、また他社装置とのインターフェース信号としても使われます。
つまり、機械を駆動させるモータやロボットの動力電源、それら危険なものを停止させたい場合に動力回路を遮断するためにリレーを使用します。
動力電源を遮断する回路を非常停止回路や安全回路と呼ばれることが多いです。
リレーにはコイルと呼ばれる電磁作用を起こす部分に適切な電圧を与えることによって、接点を開閉することができます。
多くの場合、リレーといえば『メカニカルリレー』という認識で話が進み、その接点は無電圧接点やドライ接点と言われています。
このリレーはメカニカルリレーというだけあって、接点の開閉頻度には制限があります。
機械を動作させ続ければ当然いつかは壊れてしまいます。
リレーは無電圧接点ということで非常に重宝しますが、最近の機械設備は高速化が求められるため、信号の受け渡しで使用する際は接点開閉頻度が1年持たないということもあるため注意が必要です。
トランジスタとは何でしょうか?
リレーがメカニカルリレーなのに対して、トランジスタは理論上無限に開閉できるリレーとなります。
PLCの出力ユニットでも使用されており、トランジスタなくして現代の電気機器は成り立たないでしょう。
N型半導体とP型半導体の組み合わせによって、NPN・PNPが存在し、ベースやエミッター、コレクタに電圧を加えることによって電子の移動が発生し回路を閉することができます。
真性半導体シリコンSi(4価)に微量の
N型:リンP(5価)
P型:ホウ素B(3価)
を混ぜたものです。
真性半導体シリコンSi(4価)に微量の異なる価電子を付加することによって、電子が余ります。
この電子の余りが自由電子というものとなり、N型はシリコンSi(4価)>リンP(5価)で4価の方が多い状態となるためN型(ネガティブ型)と呼ばれます。
P型はシリコンSi(4価)>ホウ素B(3価)となるので4価の方が多い状態となるためP型(ポジティブ型)と呼ばれます。
これらN型、P型を組み合わせと電圧を加えることによって、自由電子が動くようになり電流が流れます。
このN型、P型の組み合わせは2通りで、NPN、PNPとなり、NPNは日本でよく使われる方法であり、PNPは海外でよく使用されます。
※NPNは回路合っているかと思いますが、PNPは正直不安です。笑
共通しているというのをコモンと言い、NPNはマイナスコモン、PNPはプラスコモンと呼ばれます。
負荷と反対側がどちらに接地されているかでマイナス、プラスが決まるようで、NPNの負荷と反対側は0V、PNPの負荷と反対側は+24Vです。
安全ユニットはPNP出力のものが多く、NPNの方が安全ではないと言われます。
0V側が負荷に接続されているPNPは配線が断線しても0Vとアースとなりますので動作しません。
ただ、NPNは+24V側に負荷が接続されているため配線が断線するとアースに接続されてしまうため電圧が印加されてしまい誤動作してしまうからです。
NPN:誤動作しやすい
PNP:誤動作しにくい
ですので、安全回路や安全ユニットの出力はPNP出力が多いのでNPNで慣れている人たちは注意しましょう。
これで2時限目第2章 リレーとトランジスタの説明を終わりにします。